コラム:終活で大事なのは「パートナー」
ある70代女性の終活
人はなぜ終活を行うのか?
それは残された方々が困ることの
ないように準備しておくためです。
本コラムでは先日行った遺品整理の
現場から終活に大事なことを
書き綴りたいと思います。
最近亡くなられた一人暮らしの
70代後半の女性Aさん。
ご家族はおらずアパートに
一人暮らしでした。
高齢と病気のため自ら施設に入所し
そこで最後を迎えられたそうです。
生前にAさんが終活のパートナーとして
選んだのは近くに住む友人である
60代女性のBさん。
地域活動を通じて知り合い
よく二人で出かけたり、
お茶を飲んでおしゃべりをする
仲だったそうです。
Aさんは施設入所を決めた際、
Bさんに頼みました。
『アパートで独りでいるときに
私にもしものことがあれば
大家さんに迷惑をかけてしまう。
私だけでは引っ越しや片付けも
できないので亡くなった後は
すべての後始末をお願いしたい』
Bさんはそれを快諾しました。
ほどなくしてAさんはご逝去。
Bさんは行政への各種手続きや
大家さんへ家賃の支払いと
解約手続きなど一切合切を
済ませたそうです。
そして四十九日を過ぎた
タイミングでBさんは
アパートを引き払うために
当店にて遺品整理の
ご依頼をされてきました。
現代日本では単身世帯が増えています。
Aさんがお一人で暮らしていた
背景はわかりません。
生涯独身だったのか、
それともすでに家族を
見送ってきたのか・・・。
終活には様々な形があって
いいと思います。
AさんにとってBさんという
信頼できる友人をパートナーに
選んだことが素晴らしい終活に
つながったと思います。
”メメント・モリ”=死を忘れることなかれ
ラテン語の有名な古い教えですね。
人生には必ず終わりが来ます。
なかには不慮の事故や病気などで
その日が突然来ることもあります。
元気なうちに終活に取り組むことは
一抹の寂しさを覚えますが
けっして悲観的なことでは
ありません。
これからの人生を前向きに生きる、
”人生をより良く生ききる”ためにも
終活をすることは有意義なことだと
思います。
当店としても皆さまの終活が
うまくいくように常に良き
パートナーであるよう
日々努力して参ります。
鑑定士 柏原