コラム:「空き家」が引き起こす問題

その他

どんな人が片付けを依頼する?

片付けという行為に特別なスキルはいりません。

しかし、お金を払ってまで私たちのような

業者に依頼してくるのはどのような方たちだと

思いますか?

一番多いパターンは

『不動産を相続したお子様たち』

からの依頼です。

困っているのは購入した当人ではなく

それらを受け継いだ子ども世代なのです。

代表的な不動産である家と土地。

かつては「夢のマイホーム」

「一国一城の主」などと言われ、

憧れでもありました。

しかしそれは子孫が同じ場所に

定住することが前提であった時代の話です。

核家族化、仕事の多様化、交通機関の発達と

ともに子ども世代は自らの生活基盤を

地元以外に築くようになりました。

こうしていつしか実家は空き家となり、

2018年総務省の発表では栃木県の

空き家率は17.4%と全国ワースト

10位に入っています。

 

空き家のコスト

空き家を相続するとどれほどのコストが

発生するのか考えます。

空き家は傷みやすいため定期的な掃除や

空気の入れ替えが必要です。

また庭木や雑草が敷地からはみ出ないように

伐採をしなくてなりません(これが重労働!)。

固定資産税は当然として、掃除のことを考えると

電気と水道は止めない方がいいでしょう。

火災を起こしてしまった際の周辺への影響を考えると

火災保険も継続し続ける必要があります。

誰も住んでいない空き家に対してこれだけの

ランニングコストが発生するのです。

相続主が手放すことを決断したとしても、

各種手続きや残置物撤去などの片付けは必要ですし、

建物を解体するとなると大きな金銭的負担となります。

「不動産は売ればいい」という意見もありますが

人口減少社会である現代日本(特に地方)においては、

不動産を売却することはとても難しいことです。

子孫に残すために購入した不動産が今

や足かせになっている時代に突入したのです。

 

年末年始は“終活”について考えてみては?

一時的かもしれませんが流行り病も落ち着きを

見せており、今年の年末年始はしばらくぶりに

家族が集まる機会も多くなるのではないでしょうか。

“終活”というと「まだ元気なのに縁起でもない」

「家族間でお金の話なんてしたくない」と拒否反応を

示す方も多いかもしれません。

しかし、これまでの依頼者の方々はみな一様に

「親が元気なうちに不動産や財産をどうするのか

話し合うべきだった」と仰います。

あまり悲観的に考えずまずは不動産といった

資産や負債を正確に把握し、親兄弟でそれらの

情報を共有することから始めてみてはいかがでしょうか。

 

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